大学生向け「海外インターン」。人気の渡航先から職種まで

大学生の皆さんの中には「将来海外で活躍したい」「ビジネス英語力を高めたい」などといった理由で海外インターンシップに興味や憧れを持っている方も多いと思います。実際、近年海外インターンシップへの参加者は増加傾向にあります。 ただ、参加してみたいけれどもよく分からなかったり、不安な方もいらっしゃるでしょう。今回はそんな皆さんのために、海外インターンシップについて詳しくご紹介していきます。

目次

1.海外インターンシップの種類

「海外インターンシップ」と言っても色々な種類があります。1つずつ見ていきましょう。

1-1.短期インターンシップ

短期インターンシップの場合は1ヶ月~2ヶ月程度の期間なので、大学の夏休みなどの長期休みを利用して参加できます。そのため、大学を休学する必要がありません。休学せずに海外でインターンシップの経験をしてみたいという大学生にはお勧めのタイプです。

費用も長期インターンシップより安く抑えられます。貴重な大学の長期休みを有意義に過ごせるので、少しでも海外インターンシップに興味のある方は参加してみましょう。

1-2.長期インターンシップ

長期インターンシップは、3ヶ月~1年程度の期間なので、場合によっては大学を休学する必要も出てきます。中には休学せずに内定をもらってから卒業するまでの間に参加する大学生もいるので、どの時期に参加したいのかを考えて計画しましょう。もし就活前に長期インターンシップに参加する場合には、大学を休学して、就活に合わせて帰国するという流れになります。

長期インターンシップの場合には実践的な業務に携われる可能性が高いので、将来英語を使って仕事をしたい、海外で活躍したい、就活に活かしたい、などと思っている大学生には長期インターンシップがお勧めです。

1-3.オンライン

新型コロナウィルスの世界的な流行により、以前より海外渡航が難しくなっています。しかし、海外インターンシップへの参加を諦める必要はありません。オンラインで海外インターンシップに参加するという選択肢もあるからです。

現在、世界的にリモートワークが普及してきていることもあり、オンラインで学べる事や実践できる業務も増えてきています。オンラインの場合、渡航しての海外インターンシップより費用も安く、大学の授業などとの両立もしやすいなどといったメリットもあるので、オンラインでの海外インターンシップへの参加も視野に入れてみましょう。

2.大学生に人気の渡航先

海外インターンシップの渡航先の候補として沢山の国がありますが、どこの国が人気なのでしょうか。 大学生に人気の渡航先として、主に主要英語圏と東南アジアが挙げられます。

2-1.主要英語圏

まずアメリカ・カナダ・オーストラリアといった主要英語圏です。これらの国ではインターンシップの制度がアジア圏よりも普及しているため、そのまま採用する事も視野に入れて参加者を募っています。特にインターンシップの発祥地でもあるアメリカでは、積極的にインターンの受け入れを行っています。業務の種類も豊富で、実力次第ではそのまま正規雇用される可能性もあります。

注意点としては、主要英語圏のインターンシップに参加する際には高い英語力が求められるので、渡航前にしっかりと英語を勉強しておきましょう。

2-2.東南アジア

次に、シンガポール・フィリピン・カンボジア・ベトナムといった東南アジア諸国です。東南アジアでのインターンシップの場合、実務を経験させてもらえることが多いので、スキルアップに繋がりやすいのが特徴です。また、主要英語圏と違ってそこまで高い英語力が必要とされない傾向にあります。

東南アジアは地理的にも近く、生活コストも低めなので、主要英語圏よりは参加のハードルが低いでしょう。成長が著しい東南アジアでのビジネスの経験は大変貴重なので、興味がある方はぜひ挑戦してみましょう。

3.海外インターンシップの人気の職種

海外インターンシップでできる仕事について考えてみましょう。実際にどのような職種が人気なのでしょうか。人気の職種として主に3つ挙げられます。こちらも1つずつ見ていきましょう。

3-1.観光業・航空業

まず、観光業や航空業です。

将来、観光関係の業界への就職を目指している、CAなどになりたい方は、観光や航空関係のインターンシップに参加してみましょう。将来国際的な仕事をしたい大学生の方にもお勧めです。

3-2.料理・カフェ

次に料理・カフェ関係です。

パティシエ・シェフからカフェの店員まで色々な仕事があります。特にフランスにおけるインターンシップは「スタージュ」とも呼ばれていて、パティシエやシェフになりたい人が参加しています。

3-3.ホスピタリティ

ホテルでの接客業などのホスピタリティ業界も人気です。

実際の現場で接客の仕事を経験することで、コミュニケーション能力や業務スキルの向上に繋がる可能性があります。

4.オンラインで参加可能な職種

オンラインでの海外インターンシップに興味がある方もいらっしゃると思いますが、オンラインの場合はどのような職種で参加できるのでしょうか。

渡航先の国によっても違ってきますが、旅行業・教育関連・不動産関連・貿易関連・メディア関連など様々な職種で参加可能になってきています。

仕事の進め方は主にタスクベースで、ZOOMなどを使ってやり取りを行う形です。国内でインターンシップに参加するよりも実践的な業務に携われることが多いので、興味のある方は是非参加を検討してみてくださいね。

5.海外インターンシップの参加動機

海外インターンシップに興味を持っている大学生は沢山いると思いますが、実際に挑戦した大学生はどのような動機で参加したのでしょうか?

5-1.文化や言葉が異なるグローバルな環境で視野を広げたい

日本国内でインターンシップに参加する場合、外資系などの企業などを除いては、グローバルな環境で業務に携われる場はそう多くはありません。だからこそ、海外のグローバルな環境で視野を広げたいと思う大学生も沢山います。

海外インターンシップに参加した場合には、必然的に文化も言葉も違う環境下に身を置くことになるので、日本とは異なる色々な文化や考え方を知り、大きく視野を広げることができます。

5-2.将来海外で活躍したい

将来、日本国内ではなく海外で働きたいと思っている大学生の方も多いと思います。 海外で活躍したいと思っても、実際に海外の職場がどういう環境か、どのような業務に携われるのか、などわからない事が多くて不安にもなると思います。そんな時に実際に海外でインターンシップを経験すると、より海外で働くイメージもつきやすくなるでしょう。

5-3.実践的なビジネス英語力を身につけたい

海外インターンシップに参加することで、日常的な英語力だけではなく、より実践的なビジネス英語力を身に付けたいと思っている方も多いでしょう。

特に主要英語圏のインターンシップでは、現地のネイティブの社会人と共に業務に携わるので、必然的に英語のリスニング力やスピーキング力が向上します。実際のビジネスの場で使われる専門用語やボキャブラリーも学べるので、実践的な生きたビジネス英語を習得することができます。

ただし、インターン先によっては英語を使わない業務もあるので、事前にきちんと確認しておきましょう。

5-4.帰国後の就職活動に役立てたい

海外インターンシップの経験を就活に役立てたいと考える大学生も多いでしょう。

特に長期インターンシップの場合は、現地のスタッフと一緒に実際の業務に携われるので、積極性や協調性、コミュニケーション能力などの力が身につきます。こういった力は就活にも活きてくるでしょう。

6.海外インターンシップの参加手順

いざ海外インターンシップに参加するためには7つの手順が必要です。それぞれについて見ていきましょう。

6-1.カウンセリングを受ける

海外インターンシップに申し込む前に、まず希望する渡航先やプログラムなどについての無料のカウンセリングを受けておきましょう。その結果で渡航先の国や企業を決定します。自分の希望や条件に合ったインターンシップに参加するためにもカウンセリングの受講は必須です。

6-2.適性検査を受ける

カウンセリングの次は、現時点での目標や人柄、能力を明らかにするために適性検査を受けます。参加者のやる気や将来のビジョン、語学力などを検査して、インターン先の企業を決定します。海外インターンシップで成果を上げるためにも、渡航前に自分自身の様々なスキルを測って明らかにしておくことは大切です。

6-3.申込みの手続きをおこなう

適性検査を受けたら、申込みです。

海外インターンシップの場合は国内のインターンシップと違い、パスポートのコピーや契約書、履歴書などの提出が必要となってきます。パスポートを持っていない人は早めに取得しておきましょう。

また、ビザの申請も必要です。渡航先の国やインターンシップの形態によっても取得するビザが異なるので、必ず確認しておきましょう。

6-4.インターンシップの実習先との面談・実習先の決定

無事に申込みが完了したら、次にインターンシップの実習先を決めることになります。 希望する実習先との面談で合格すれば、参加決定です。もし不合格だった場合には違う実習先を探すことになりますが、インターン先によって求めるスキルや人物像も変わってくるので、万が一不合格になっても諦めずに面談に挑戦してみましょう。

6-5.滞在先や航空券の手配・海外旅行傷害保険の契約をする

インターンシップの実習先の決定後は渡航の準備を進めましょう。

滞在先や航空券の手配、海外旅行傷害保険の契約が必要です。インターンシップ先の企業によっては参加者の滞在先などを決めてくれるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。

海外では予想外の事態も起こりうるため、海外旅行傷害保険への加入は必須です。

6-6.事前講習を受ける

渡航する直前になったら、事前講習を受けておきましょう。

事前講習では、渡航先の国のマナーやよく使われる英語表現などを学ぶことができます。

特に主要英語圏に渡航する際には高い英語力が求められます。日常会話はもちろんのこと、仕事上ではビジネス英語も必要になってきます。ビジネス英語では日常会話では使わない単語や表現を使う上に、知っておくべき単語や表現も増えるため、事前講習でしっかり学んでおけば安心です。

また、渡航先の国ごとに習慣や文化が違うため、マナーも違うことも多いです。現地のマナーを知らないまま渡航すると恥をかいたり、場合によっては誤解を生むことにもなりかねません。そうならないためにも、渡航前にインターンシップ先の国のマナーは知っておきましょう。

6-7.渡航前のオリエンテーションに参加する

渡航前にはオリエンテーションもあるので、こちらも必ず参加しておきましょう。オリエンテーションでは、渡航する際の注意点や必要な物などについて説明があります。特に初めての海外渡航の場合にはわからない事や不安な事も多いと思うので、疑問に思う点などがあればオリエンテーションで確認しておきましょう。

7.海外インターンシップにかかる費用

海外インターンシップに参加するためにはある程度費用がかかるというイメージを持っている方も多いと思いますが、実際にどういった費用が発生するのでしょうか。こちらも1つずつ確認していきましょう。

7-1.インターンシップ申込金・プログラム費用

海外インターンシップに参加する際には、適性検査の受験、渡航先の受け入れ企業との面談やビザの申請、オリエンテーションの受講などが必要になってきます。こういった事を全て自分で行うのは大変です。

海外インターンシップのエージェントを通じて申込みをした場合にはこういった手続きをエージェント側でやってくれます。その際に申込金やプログラム費用をエージェントに支払うことになります。

7-2.渡航費

海外に行く際には飛行機に乗るため、必ず渡航費が必要になってきます。渡航先の国や都市、時期によっても値段が変わってくるので、事前に必ず調べて予約するようにしましょう。

7-3.海外旅行傷害保険

渡航先で病気になる、怪我をする可能性もゼロではないので、海外旅行傷害保険には必ず加入しておきましょう。万が一加入していなかった場合には、膨大な医療費がかかる恐れがあるからです。

保険会社によっても内容や費用が変わってくるので、きちんと調べて加入しておきましょう。

7-4.ビザ申請費用

海外インターンシップに参加する際にはビザ申請費用が必要になってきます。ビザの種類によって値段も変わってくるので、渡航先の国で必要なビザを確認して申請しましょう。

7-5.現地滞在費

渡航先では食費や家賃、交通費といった滞在費も発生します。 国によって物価が違ってきますが、ある程度の出費がかかることを予想して資金を準備しておきましょう。

8.海外インターンシップを就活に役立てるためのポイント

せっかく海外インターンシップに挑戦したら、その経験を就活に役立てたいですよね。残念ながら、参加しただけで就活に有利になるわけでもありません。

そこで、海外インターンシップの経験を就活に役立てるためのポイントを4つご紹介します。

8-1.インターンシップに挑戦する目的をはっきりさせる

海外インターンシップに挑戦する際に、漠然とした目的だけで参加するのは非常にもったいないです。明確な目的や学びたい知識や分野などがはっきりしないまま参加すると、特に成果がないまま帰国するという可能性もあります。ただ海外インターンシップに行くだけではなく、そこで何を学んできたかが大切です。

8-2.事前に業務内容をきちんと調べてから参加する

渡航前にインターンシップ先の企業の業務内容をきちんと調べておかないと、行ってから「思っていた仕事と違った」とギャップに悩む場合もあります。英語を使う仕事なのか、雑用ではない実務をさせてもらえるのか、など事前に必ず確認しておきましょう。

8-3.現地では自分で考えて積極的に行動する

インターンシップ先では、仕事の指示を待ち、与えられた仕事だけをするのでは成長できません。自分で考えて積極的に行動することが大事になってきます。そのような前向きな行動が就活の面接や社会人になった後にも役立つので、頑張ってみましょう。

8-4.渡航後にTOEICなどの検定試験を受験してスコアを残しておく

海外インターンシップ先で英語のスキルアップを達成できた場合、帰国後に必ず検定試験を受験してスコアを残しておきましょう。就活の際に履歴書に書いて英語力をアピールするためにも、できれば複数回受験して更なるスコアアップを目指すといいですね。

9.海外インターンシップ後にそのまま就職できる可能性は?

海外インターンシップに参加後、現地の企業などでそのまま就職する大学生はいるのでしょうか?

インターンシップ先で実力が認められた場合にはそのまま就職できる可能性もあります。ただし、外国人の就労ビザの取得は難しいため、そういった事例はあまり多くはありません。

それでも可能性はゼロではないので、海外で就職を希望する方は諦めずに挑戦してみましょう。

終わりに

今回は大学生の海外インターンシップについてご紹介しました。

この記事を読んで興味を持った方は、ぜひ行きたい国やお仕事について調べて、海外インターンシップに挑戦してみてくださいね。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、都銀での勤務を経験。
結婚後、福井県に移住し、現在はライティング・校正の仕事に従事。
これまで海外留学・インターン・企業研究・皇室関連記事の執筆や
企業HPなどの校正業務を経験。 「インターンバンク」の記事を通じて、
大学生の皆さんの職業選びのお手伝いができれば幸いです。

目次
閉じる