「外資系」というと高給、グローバル、実力主義など様々なイメージを持つ方が多いと思います。外資系企業への入社は狭き門ですが、日本の企業とは違った働き方で多様な仕事のスキルを身に着けることができる魅力的な業界です。今回はそのような外資系企業のインターンについてお伝えしていきます。
外資系インターンの特徴
外資系インターンの特徴として主に4つ挙げられます。それぞれについて見ていきましょう。
1.期間が長い
外資系のインターンは日本の企業と比べて、ほとんどが長期です。1か月くらいの期間で行われることが多く、実際に社員の方々と一緒に実務経験をさせてもらえます。社員と同じような仕事をするために高度なスキルも求められますが、その分得られるものも多くなるでしょう。
2.競争率が高い
年々外資系企業を志望する学生が増えているため、競争率は高くなってきています。
インターンに参加するための選考課題も非常に難しいため、参加するのは簡単ではありません。どうしても外資系インターンに参加したい方は、高倍率を覚悟で選考対策をする必要があります。
3.学生のスキルチェックを行う場合が多い
外資系インターンでは、インターンを通じて学生のスキルをチェックすることが多くなっています。日本企業の場合と違って、外資系インターンの場合は企業理解や職場体験が主ではありません。外資系の場合は採用活動に繋ってくる可能性があるからです。
4.内定に直結する可能性がある
外資系企業では、即戦力になる優秀な学生の採用を望んでいるため、インターンは内定に直結する可能性があります。そのため、外資系企業へ入社を希望する方はインターンへの参加が必須となってきます。大学3年生の6月から8月にサマーインターンを開催する外資系企業が多いので、少しでも興味のある方は応募してみましょう。
外資系インターンの仕事内容
次に、外資系インターンの仕事内容について、こちらも業界ごとに見ていきましょう。
1.IT関連業界
外資系のIT関連業界というと、アマゾン・日本マイクロソフト・グーグルなどといった企業が挙げられます。こういった外資系IT関連企業では、「ワークサンプルテスト」という方式を採用している所もあります。「ワークサンプルテスト」とは学生に社員と同じ実務を与えて、その成果をみるものです。インターン中の学生という立場ですが、その中で成果を出すことが求められるため、受け身の姿勢ではなく、自分で考えて行動できるスキルが求められるでしょう。
2.金融関連業界
外資系の金融関連業界というと、モルガンスタンレー・ゴールドマンサックス・シティグループなどといった企業が挙げられます。例えば、外資系の投資銀行のインターンでは、グループワークが課されました。その中で学生のコミュニケーション能力や論理的思考力などのスキルをチェックされます。中には会社の業務に関するワークを課したり、基礎知識の講義を受けて学んだり、社員との交流をする企業もあります。インターンの形態は企業によって異なってくるので、事前に必ず調べておきましょう。サマーインターンに参加して優秀だと認められた場合、本選考が一部免除になるなど優遇される可能性もあります。
3.コンサルティング業界
外資系のコンサルティング業界というと、アクセンチュア・マッキンゼー・カーニーなどといった企業が挙げられます。インターンでは、企業のトップが判断するようなとても難易度の高い課題に取り組みます。社員と一緒にディスカッションすることも多く、高度なコミュニケーション能力や論理的思考力なども問われます。サマーインターンを実施する企業が多く、大学3年生の夏に内定を出す企業もあります。
外資系インターンの選考内容と対策
外資系インターンの選考は複数あり、内容もとても難解なため、十分な対策が必要です。選考内容とその対策について1つずつ見ていきましょう。
1.書類選考(ES)
インターンの選考過程のまず初めは「書類選考(ES)」です。日本の企業と違って外資系企業は実力主義のため、学生本人のスキルを重視します。そのため、ESの場合も日本企業とは違った点を見られるので気を付けましょう。特に「他の学生よりも自分が優れている点」や「なぜその会社を選んだか」、「なぜその企業のインターンに参加したいのか」などを明確に書くようにしましょう。まずは結論から先に書き、読む人にとって分かりやすい文章を書くことも大切です。書き方がわからない場合は、就職サイトや就職関連本などの模範のESを見るなどして対策を練っておきましょう。
2.筆記試験・webテスト
ESの通過後、筆記試験またはwebテストを受けることになります。出題形式は企業によっても変わってきますが、SHL・玉手箱・数的処理・TG-WEB・GMAT・SPIなどが採用されています。これらの試験は日本の企業のものよりも難解な傾向があるので、きちんとした対策が必要です。参考書や問題集などを使って事前に勉強しておきましょう。また、外資系の場合はどの業界でも英語力が必須となるので、英語力も問われます。英語の対策も忘れないようにしておきましょう。
3.グループディスカッションもしくはケース問題
グループディスカッションは、インターンの選考過程で重要視される箇所です。グループディスカッションかケース問題かは企業によって違うため、事前に確認して対策しておきましょう。
- グループディスカッション
グループディスカッションの場合、3人から10人くらいのグループに分かれ、与えられたテーマに対して意見をぶつけたり、話し合ったりしながら結論を導き出すことが目的になります。企業側はグループディスカッションを通して折衝能力を見定めています。本番で緊張しないためにも、事前に友人同士で練習したり、グループディスカッション対策のセミナーなどに参加したりすることをお勧めします。
- ケース問題
グループディスカッションではなく、ケース問題を課す企業もあります。ケース問題というのはあまり聞き慣れないかもしれませんが、主に「フェルミ推定系」と「ビジネスケース系」の2つに分けられます。「フェルミ推定系」とは、調査が難しい量を短時間の間に推論して概算することです。少ない手がかりを元に、自分の常識などをフル活用して論理的に答えを導く必要があります。「ビジネスケース系」とは、実際に起こる可能性のあるビジネスシーンを用いて面接官と議論をすることを言います。いずれにしても難解なので、しっかりとした対策が必要です。ケース問題対策に使えそうな本やWebサイトもあるので、それらを読んで準備しておくといいでしょう。
4.面接
インターン選考の最後は面接です。外資系企業の面接の場合、プレゼン能力・コミュニケーション能力・考える力などが問われます。面接においては具体的なエピソードを入れつつ、的確かつ簡潔に自分のスキルを面接官に伝えることが大切になってきます。企業によっては英語の面接を行う場合もあるので、その対策も必須です。もちろんビジネスマナーもしっかり見られているので、言葉遣いや身だしなみなどにも気を付けましょう。面接についても就活対策本やWebサイトなどをよく読んで勉強しておきましょう。友人同士で面接会などを開いて対策するのもいいですね。
求められる人物像
外資系企業の場合、日本企業とは違った点を重視するので、求められる人物像についてもきちんと把握しておきましょう。ここでは、外資系企業から求められる人物像について主に5つ挙げて見ていくことにします。
1.自分の意見をわかりやすくはっきりと伝えられる人
1つ目は、自分の意見をわかりやすくはっきりと伝えられる人です。外資系企業では、周りの人に遠慮して自分の意見を言わないと評価が低くなってしまいます。謙遜は逆効果になってしまうので、自分の思った事は相手にわかりやすくはっきりと伝えることが重要になってきます。
2.リーダシップの取れる人
2つ目は、リーダーシップの取れる人です。外資系企業では、自分で課題を見つけ、周囲の人を巻き込みつつ、その課題の解決方法を考えて率先して行動できる人が求められます。協調性を重視する日本企業と同じように考えないようにしましょう。
3.語学力の高い人
3つ目は、語学力の高い人です。外資系企業では、外国人と仕事をするのが当たり前の環境です。上司や同僚が外国人ということも少なくないため、必然的に英語を使って会話することになります。部署や業務によっても異なりますが、いつ英語を使う環境になっても大丈夫なように英語の勉強はしておきましょう。もし本社がある国が英語圏でない場合、その国の母国語も話せるとさらに有利になります。
4.実力主義の評価を望む人
4つ目は、実力主義の評価を望む人です。外資系企業では実力主義を採用しているので、個人のスキルが厳しく評価されます。日本の企業とは違って年功序列ではないので、能力が高ければ年齢に関係なく昇格できる可能性もあります。年齢に左右されず実力で評価されることを望む方は外資系企業が向いているでしょう。
終わりに
ここまで外資系のインターンについてご紹介しました。外資系の場合は、インターンに参加することが内定を獲得する近道になります。外資系企業に行きたい方は、是非インターン選考への対策を入念に行い、インターンに参加できるよう頑張ってみてくださいね。