大学生の皆さんの中には、Zoomなどを使って受ける「オンライン」の授業と従来のように教室に集まって対面で受ける「オフライン(対面)」の授業を併用して受けたことがある方もいらっしゃるでしょう。
そのように画面上で行う「オンライン」と対面で行う「オフライン」のどちらも併用して選考を行う就活を「ハイブリッド就活」と呼び、現在色々な企業が導入し始めています。
まず、そんな「ハイブリッド就活」に備えてやっておきたい事について確認しておきましょう。
- オンオフどちらも体験可能なインターンにチャレンジする
- OB・OGにオンライン訪問・対面訪問をお願いする
- インターネット環境を整えておく
- オンラインならではのマナーについて知っておく
- 上司や先輩に対面での面談を定期的に行ってもらう
今回は、オンライン就活・オフライン就活それぞれのメリット・デメリットやハイブリッド就活に備えてやっておきたい事などについて詳しくご紹介します。
ハイブリッド就活とは
「ハイブリッド就活」とはオンライン、オフラインそれぞれのメリットを活かし、オンオフ併用で選考を行う就活のことです。
コロナ禍により就活においてもオンライン化が進み、説明会やグループディスカッション、面接など全ての選考をオンラインで行う企業が増えました。現在、対面の選考も復活しつつある中でも、オンラインのメリットを活用し、オンオフ併用で選考を行う企業が多くなっています。
『iroots』のユーザーアンケート(内定者)によると、「内定先企業の選考方法」について、最多の51%が「内定までの全プロセスがオンライン完結だった企業と、対面選考が含まれる企業の両方があった」という結果で、次いで35%が「内定までの全プロセスがオンライン完結する企業のみだった」という結果でした。昨年同時期に実施した22卒学生アンケートから、順位が逆転する結果になっています。
23卒学生に聞く「就活状況」調査2022―『iroots』ユーザーアンケート―
オンライン就活のメリット、デメリット
移動時間や費用を節約できる
オンライン就活の一番のメリットとして挙げられるのが、移動時間や費用を節約できることです。
会場までの移動時間が必要ないため、1日に複数の企業の選考に参加することも可能になり、以前に比べて多くの企業の選考を受けるチャンスが広がりました。大学の授業の合間に説明会や面接に参加することもできるでしょう。移動がない分、身体の負担も少なくなったと言えます。天候が悪い日なども助かりますね。
また、移動の交通費もかからないため、遠方の企業の選考にも参加しやすくなりました。
たとえば、地方在住の学生が首都圏の企業の選考に参加する場合、現地までの交通費や宿泊費が必要でしたが、オンラインであればその費用が節約できます。地方出身の学生が地元企業の選考を受ける場合にも大きなメリットがありますね。オンライン就活で、あらゆる地域の学生の就職の選択肢が広がったと言えるでしょう。
また、自宅などで参加できるため、オフラインの時よりも比較的リラックスして臨みやすいのもオンライン就活のメリットと言えます。慣れた空間で面接などを受けることができるので、企業に出向いて面接官と面と向かった時よりも緊張せずに話せるという方も多いでしょう。
画面越しだと相手の表情や反応が分かりにくい
逆に、オンライン就活の一番のデメリットとして挙げられるのが、画面越しだと相手の表情や反応が分かりにくいということです。
パソコンの画面越しでやり取りをする場合、オフライン時に比べると、どうしても表情や雰囲気などが伝わりにくくなってしまいます。そのため、オンラインの場合には、表情の動きをつける、受け答えをしっかりする、きちんと相槌を打つ、といった形で少しリアクションを大きめにすると伝わりやすくなるでしょう。オンラインのやり取りをする機会があった場合、ぜひ実践してみてくださいね。
他にも、オンライン就活のデメリットとして以下のような点が挙げられます。
- 企業や社員の雰囲気が分かりにくい
- 他の就活生との交流の機会が少ない
- オンラインならではの準備が必要になる
- 通信環境によるトラブルが発生する可能性がある
オンラインだと企業を訪問する機会がないため、企業の雰囲気や社員の様子を直接確認することができず、他の就活生と交流する機会がないのも残念ですね。
また、インターネット環境の整備、オンラインツールの準備、オンラインのマナーの習得などオンラインならではの色々な準備も必要になってきます。
オンライン就活の意外な落とし穴
オンラインの場合、面接などの際にこっそりメモや資料を見ながら臨むことができるのがメリットだと思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、それがマイナスになる可能性があるので注意しましょう。
面接担当者は、就活生が何かを見ながら話している事に気づくことが多く、担当者によっては評価を下げる可能性もあります。もちろん伝えたい事を事前にしっかり考えて準備しておくことは大事ですが、それがマイナスに働いてしまったらもったいないですね。面接担当者に何かを伝える際、何も見ないで話す方が相手に伝わりやすいので、メモなどに頼り過ぎないほうがいいでしょう。
ハイブリッド就活が定着しつつある中、対面の面接などを受ける機会も出てくると思うので、できればオンラインの時もオフラインの時と同様に緊張感を持って臨めるといいですね。
オフライン就活のメリット、デメリット
企業や社員の雰囲気がよく分かる
オフライン就活の一番のメリットとして挙げられるのが、企業や社員の雰囲気がよく分かるということです。
画面越しではなく、実際に企業に出向いて直接社員と話をすることで、職場や社員の雰囲気や様子を肌で感じることができます。オンラインに比べて得られる情報量が多いこともあり、企業との相性を確かめやすいでしょう。
また、対面で開催される企業の合同説明会に参加することで、興味のある企業と偶然出会える可能性もあります。
他にも、オフラインのメリットして以下のような点が挙げられます。
- 熱意を伝えやすい
- 社員と直接会って話す機会がある
- 他の就活生と情報交換などをしやすい
- 通信環境によって影響されない
グループディスカッションや面接においても、相手と直接面と向かった状況の方が相手の反応や雰囲気も分かるので、自身の熱意を伝えやすいでしょう。通信トラブルなどの心配もないので、会話に集中することもできます。
また、説明会やインターン、面接などでも社員と直接会って話せるので、質問などもしやすいでしょう。
オフラインの場合は他の就活生と交流する機会もあるので、その場で情報交換することもできます。新たに就活仲間ができる可能性もありますね。
移動時間や交通費がかかる
逆に、オフライン就活の一番のデメリットとして挙げられるのが、 移動時間や交通費がかかるということです。
会場まで移動する時間がかかるために選考に参加できる企業が限られ、選択肢を絞らざるをえないこともあるでしょう。
また、移動の交通費や昼食代などの出費も必要となります。特に遠方の企業の選考を受ける際には高額な交通費や宿泊費などが発生するため、学生の金銭的な負担が増えてしまいます。状況によっては就職の選択肢が狭まってしまうこともあるでしょう。
企業側はオンラインとオフラインをどのように使い分けしているか?
企業によっても違ってきますが、全てオンライン、説明会などはオンラインで、選考が進んだ段階で対面を取り入れるなどといった形で使い分けしているようです。
『iroots』の、ユーザーアンケート(内定者)によると、オフラインでの選考経験者への「どのようなイベントや選考が対面で実施されましたか」との質問では、「最終面接」(71%)が最多でした。
続いて「1次面接~最終面接の1つ前」(47%)、「インターンシップイベント」(31%)、「少人数での座談会」(21%)、「大人数での企業説明会」(19%)、「就活セミナー・合同企業イベント」(17%)、「社員面談(選考を含まず」(17%)、「すべて対面で参加」(2%)といった結果になっています。
アンケート結果から、最初の方はオンラインで、最終面接など選考が進んだ段階で対面を取り入れる企業が多いことが分かります。選考方法を見て、その企業がオンラインの働き方と出社を基本とした働き方とどちらを重視しているかなど、企業の方針も見て取れるでしょう。
23卒学生に聞く「就活状況」調査2022―『iroots』ユーザーアンケート―
『iroots』
ハイブリッド就活に備えてやっておきたいこと
最後に、ハイブリッド就活に備えて今のうちからやっておきたいことについて確認しておきましょう。余裕を持って就活に臨めるようにするためにも、ぜひ実践してみてくださいね。
オンオフどちらも体験可能なインターンにチャレンジする
インターンの中にはオンライン・オフライン併用で参加できるものもあります。例えば週に1日は出勤で、他はオンライン勤務可能などといった形です。
オンライン勤務できると時間や場所に関係なく働けるので、大学の授業やサークルなど他の活動と両立しやすくなるのもメリットです。また、オンラインインターンではZoomなどのオフィスツールの使い方、オンラインならではのコミュニケーション方法やマナーなども学べるため、オンライン選考のスキル習得にもつながります。
逆に出勤の時には対面でのコミュニケーション方法やマナーなどを学べるので、インターンでオンライン、オフライン両方経験しておくと、就活の時にも余裕を持って臨めるでしょう。インターンの募集要項を見る際に、オンオフ両方の勤務ができるかどうか確認してみてくださいね。 オンラインインターンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
OB・OGにオンライン訪問・対面訪問をお願いする
皆さんは大学のOB・OG訪問をしたことがありますか?まだ経験がない方はぜひ経験してみてください。社会人である先輩から仕事の事や就活の経験談など生の情報を聞けるチャンスです。
訪問する場合は、対面訪問だけでなくオンライン訪問もお願いしてみましょう。就活が本格化する前にオンライン・対面両方のやり取りを経験しておくことで、就活時のオンオフどちらの面接の練習にもなります。先輩がオンライン選考の経験がある場合、オンラインでの注意事項やマナーについても聞いておくといいですね。
インターネット環境を整えておく
ハイブリッド就活に備えてインターネット環境も整えておきましょう。インターネット環境に不備がある場合は、オンラインのやり取りの途中で突然音声が聞こえなくなる、突然画面が固まってしまうなどといったトラブルが発生する可能性があります。自身だけでなく、他の人にも影響することがあるので、事前に必ずご自宅のインターネット接続やパソコンの具合などを確認しておきましょう。
また、オンライン選考では、パソコンやイヤホン(できればマイク付き)、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどを活用するケースが多いです。オンラインインターンなどで日頃からこうしたツールに慣れておくと、本番の選考の際に緊張しなくて済むかもしれませんね。
オンラインならではのマナーについて知っておく
オンラインの場合、対面とは違ったオンラインならではのマナーや気を付けるべき点などがあります。オンラインのやり取りに参加する場合、以下のような点に気を付けましょう。
- オンライン面接などに参加する際は早めにスタンバイしておく
- 画面の背景の映り込みに気を付ける
- 自分の顔が明るく映るようにする
- マイクはミュートに設定しておく
- 画面ではなく、カメラを見て話す
- リアクションを少し大きめにする
- ストライプ柄やボーダー柄の服は画面を通すとちらつくことが多いため、避ける
オンラインインターンやオンライン面接のマナーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
上司や先輩に対面での面談を定期的に行ってもらう
就活が本格化する前に、インターン先企業の上司や先輩、大学の先輩などに定期的に面談を行ってもらいましょう。
オンラインでのやり取りに慣れてしまうと、逆に対面でのやり取りの際に緊張してしまう方も多いと思います。面接室への入退室の仕方や書類の受け渡し方など対面ならではのマナーもあります。上司や先輩との面談を経験しながら、対面でのマナーについても少しずつ覚えていけるでしょう。
早いうちから対面でのやり取りに慣れておくと、就活の対面の選考の予行演習にもなり、本番でも余裕を持って臨めそうですね。
終わりに
今回は、オンライン就活・オフライン就活それぞれのメリット・デメリットやハイブリッド就活に備えてやっておきたいことなどについて詳しくご紹介しました。
最後に「ハイブリッド就活」に備えてやっておきたいことについて再度確認しておきましょう。
- オンオフどちらも体験可能なインターンにチャレンジする
- OB・OGにオンライン訪問・対面訪問をお願いする
- インターネット環境を整えておく
- オンラインならではのマナーについて知っておく
- 上司や先輩に対面での面談を定期的に行ってもらう
これからもオンライン・オフライン併用の「ハイブリッド就活」は定着していくと思われます。オンライン勤務を取り入れる企業も増えているので、今のうちから社会人とのオンオフ両方のコミュニケーションに慣れておくと、就活でも就職後も役立つでしょう。
ぜひオンオフどちらも体験できるインターンなどを通じて、ハイブリッド就活に対応できるスキルを身につけてくださいね。