大学生の皆さんは「オンラインインターンシップ」に参加したことはあるでしょうか?
コロナ禍の影響でオンライン化が広がる中、すでに経験した方もいらっしゃるかもしれません。
オンラインインターンシップも通常のインターンシップと同様に成長することができます。
成長できる理由として以下の5つが挙げられます。
・仕事の基本となるコミュニケーションが身につく。
・リアルで会うよりオンラインの方が難しい。
・オフィスツールの使い方が学べる
・自走する力がつく
・環境に左右されずに力を発揮するスキルが習得できる
今回はそんなオンラインインターンシップのメリットや実際に経験した学生の声、有効活用方法などをご紹介します。
オンラインインターンシップと通常インターンシップの違い
まず、オンラインインターンシップと通常の対面でのインターンシップの違いについて表にまとめてみました。
オンラインインターンシップ | 通常(対面)インターンシップ | |
勤務地 | 自宅やコワーキングスペースなど | オフィスや工場など |
勤務時間 | 選びやすい | 選びにくい |
コミュニケーション方法 | Web会議システムやチャットツールを使ったコミュニケーションが主体 | 直接顔を合わせてのコミュニケーションが主体 |
対象になる職種 | 絞られる 接客業・物流業・製造業などでは難しい | 絞られない |
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
オンラインインターンシップとは何か
オンラインインターンシップとは、その名の通り、オンラインで行われるインターンシップのことです。学生はWeb会議システムやチャットツールで社員とコミュニケーションを取りながら業務を行う形になります。
通常の対面でのインターンシップと違い、オンラインインターンシップの場合はオフィスに出勤する必要がありません。パソコンとネット環境さえあれば自宅やカフェなど、どこでも仕事ができるのが大きな特徴です。 中には、対面とオンライン併用でインターンシップを実施している企業もあります。
オンラインインターンシップの特徴①:勤務時間が選びやすい
特に長期インターンでは、対面の場合は「何時から何時まで出勤」などと決められていることが多いと思います。しかしオンラインの場合はオフィスに出勤する必要がないため、授業の合間の時間を使うなど、自分のスケジュールに合わせた勤務時間が選びやすいという特徴もあります。
オンラインインターンシップの特徴②:出社と変わらず社員とコミュニケーションがとれる
対面のインターンシップの場合は社員にその場で質問や相談などができますが、オンラインの場合は社員とのコミュニケーション量が減るのではないかと心配に思う方も多いかもしれません。
オンラインの場合、ZoomなどのコミュニケーションツールやChatworkといったビジネスチャットツールを使ってやり取りをしながら仕事を進めていくので、社員とのコミュニケーション量が減ってしまうという心配はないでしょう。 ただし、受け身の姿勢でいるとコミュニケーションが減ってしまう可能性もあるので、自分から積極的にコミュニケーションを取ることを心がけることも大切です。
オンラインインターンシップの特徴③:リアル出社インターンと比べ募集対象が絞られる
対面のインターンシップと違って、オンラインの場合は対象になる職種が絞られるという特徴もあります。
例えば、接客業や物流業、製造業などの業務はオンラインで行うことは難しいでしょう。
オンラインで仕事ができる代表的な職種としては、IT系の技術職やWeb系のクリエイティブ職、マーケティング職、事務職、営業職などが挙げられます。
オンラインインターンを実施しているインターン生の声
wedo合同会社にてオンラインでの長期インターンシップを経験した中村さん、鈴木さんの二人にZoomでオンラインインタビューしました。
実際に経験したインターン生の生の声を聞くことで、オンラインインターンシップについての理解も深まるでしょう。 ここでは中村さんと鈴木さんの生の声をご紹介します。
中村さん(wedo合同会社:元インターン生)
●インターンをやろうと思ったきっかけは何ですか?
大学2年生までサッカーをやっていましたが、コロナによって活動ができなくなり、新たに何かモチベーションになるような、将来に生きるようなものを始めたいと思ったのがきっかけです。
●オンラインに不安はなかったですか?
もともとは大学の授業なども対面だったので、オンライン授業などオンラインというものに対して不安がありました。
また、働いたこともないのにオンラインで仕事ができるのかという不安もありましたが、時間の経過と共に慣れてきて、不安はなくなっていきました。
●実際にオンラインでインターンを始めた率直な感想や苦労した事は?
社会人の人もそれぞれの業務があるので、チャットのやり取りなどで大変な面もありましたが、社会人の方のスケジュールを確認して連絡を入れたり、質問している間に別の業務を進めていくなど工夫しました。
また、出勤日を週に1回か2週間に1回は作り、質問したい時は実際に会ってするように心がけていました。
●オンラインインターンではどういう仕事を任されてきましたか?
「インターンバンク」というサービスの企業インタビューの部分を任されていて、主にアポ取りとインタビューを行っていました。その中で取引先の人と関わる経験などもできて良かったです。
●社員とはどのようにコミュニケーションをとっていましたか?
チャットのやり取りの他に、出社時に多くコミュニケーションをとるように意識していました。
●オンラインでインターンをやってよかったことや身に付いたことは?
授業や就活などで時間に余裕がない中で、移動時間がなく自宅で働けたことは良かったです。
オンラインインターンを通して、チャットなど非対面でのコミュニケーションの使い方にも慣れることができました。
今後オンラインで仕事できる力は必要になると思うので、柔軟な発想と時間がたくさんある大学生のうちに経験しておくことをお勧めします。
鈴木さん(wedo合同会社:インターン生)
●インターンをやろうと思ったきっかけは何ですか?
社会人と同じ環境で社会人と同じような仕事ができて、アルバイトと同じかそれ以上の報酬が出るものだと知ったことがきっかけです。
●オンラインに不安はなかったですか?
オンラインには慣れていますし、授業なども忙しい中でインターンだけ対面だと移動の時間なども含めてスケジュールが難しいこともあり、オンラインはポジティブにとらえられました。
●実際にオンラインでインターンを始めた率直な感想や苦労した事は?
インターンは雑用などのイメージが強かったですが、実際にはきちんと責任を持って一事業に関わらせてもらっているので、想定していたものとは違いました。
オンラインの楽さや良い部分も気づけた一方、見えない中で他の人がどれだけ仕事に対するモチベーションを持っていて、それをどのくらい行動に移せているかをオンラインではなかなか見ることができなかったです。
●この1年、オンラインインターンでどんな仕事を任されてきましたか?
主に動画の編集から始まり、動画の新しいコンテンツの企画、最近はインターンバンク全体のコントロール・マネジメントといった仕事に携わっています。
●社員とはどのようにコミュニケーションをとっていましたか?
オンライン中心ですが、オフラインでもオンラインでのコミュニケーションがそのまま継続できています。
●オンラインインターンをやるにあたって心がけたい事、アドバイスを聞かせてください
オンラインインターンはよほど監視されない限り自分自身との闘いになります。その機会をこれから先に生かせるものにするか中途半端な終わり方にするかはその人自身にかかってくると思います。
インターンをなぜやりたいのか、その企業で何をしたいか、何を得たいのかをはっきりさせて、それを常に意識して行動することが大切です。
忙しい学生にとって、オンラインの場合はスケジュールを管理しやすいので、他の事と両立しやすい面はあると思います。
オンラインインターンシップのメリット
授業の合間などでもインターン業務に取り組める
まず、オンラインインターンシップに参加する場合、オフィスに出勤する必要がないのは大きなメリットと言えます。授業の合間などの隙間時間を有効活用して業務に取り組むことができるので、学業やゼミなどで多忙な学生も参加しやすくなっています。今まで必要だったオフィスまでの移動時間がなくなるのは助かりますね。
また、場所や時間にとらわれず仕事できるので、複数の企業のインターンシップに参加しやすいという面もあります。
全国どこからでも参加が可能
パソコンとネット環境さえあれば全国どこにいても参加できるのもオンラインインターンシップのメリットといえます。
たとえば、地方の学生が東京や神奈川などの都会の企業のインターンシップに参加する場合、現地に行くための交通費や宿泊費が必要でしたが、オンラインであればその費用が必要なくなります。
逆に都会の学生がオンラインで地方の企業のインターンシップに参加するなどということもできます。地元に帰って就職したい学生にとってもメリットがありますね。
オンラインインターンシップの広がりにより、あらゆる地域の学生のインターンシップ参加の選択肢が広がったことは大きいでしょう。
オフィスツールに触れる機会が増える
オンラインインターンシップで業務に取り組む際には、必然的にオンライン業務支援ツールに触れる機会が増えます。たとえば、オンラインミーティングの際にはZoomやGoogle Meet、Remoなど、メッセージのやり取りにはChatworkやSlackといったツールが使われることが多いでしょう。
文書の作成や共有にはGoogleドキュメントもよく利用されます。 コロナ禍の影響でテレワークを取り入れている企業も多いので、学生の時からこのようなオフィスツールに慣れておくと、就職後も役立ちそうですね。
オンライン面接のスキルが習得できる
コロナ禍でインターンシップだけでなく、面接などもオンラインで実施する企業が多くなっています。対面とは違ったオンラインならではのマナーや方法、気を付けるべき点などもあるので、オンライン面接の対策もきちんとしておく必要があります。
オンラインでのインターンシップを経験しておくと、Zoomなどのオンライン会議ツールの使い方、オンラインならではのコミュニケーション方法やマナーなども学べるため、オンライン面接のスキル習得にもつながります。
オンラインインターンシップのデメリット
慣れていないとスキル習得に時間がかかる
オンラインの場合、先述したような様々なツールを使いこなす必要があります。大学のオンライン授業などで多少慣れている方もいらっしゃるかもしれませんが、慣れていないとスキルの習得に時間がかかってしまいます。
実践が一番の近道ですが、Zoomなどのオンライン会議ツールの使い方に関してはネットや書籍から学ぶこともできるので、勉強しつつ実務で慣れていくようにしましょう。
コミュニケーションを心がけないと自己流に陥りやすい
オンラインインターンシップは自宅やコワーキングスペースなどで1人で仕事をすることが多いので、仕事が自己流に陥りやすいという面もあります。
「これで大丈夫だ」と思い込んで頑張って仕事をしても、気が付いたら方向性がずれていたという可能性もあります。
進捗状況をこまめに報告するなど、社員やインターン仲間とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくことが大切です。
インターネット、オンライン環境が不十分だと仕事に支障をきたす
インターネット、オンライン環境が整っていないと、例えばオンラインミーティングの際に画面が動かなくなる、音声が聞こえなくなるといったトラブルが発生します。
ネット検索してもページがなかなか開かない、動作が遅いといったことも起こり、時間のロスにもつながります。
特にミーティングの際などには、自分だけなく他の人にも迷惑がかかってしまうので、事前にインターネットの接続やパソコンの調子などをきちんと確認しておきましょう。
オンラインインターンシップを有効活用するために
オンラインインターンシップへの参加目的を明確にする
まずは、オンラインインターンシップに参加する前に、必ず参加目的をはっきりさせておきましょう。目的が明確でないまま参加しても、成長できずに終わってしまう可能性もあります。
特にオンラインの場合は自己管理も大切になってくるので、曖昧な目的では途中で挫折してしまうことにもなりかねません。
成長できる、有意義なオンラインインターンシップになるように、参加目的を明確にしておくことが大切です。
社員とのコミュニケーションは積極的にとる
オンラインの場合は主にZoomやChatworkをはじめとしたツールを使用しコミュニケーションを取っていく形になります。仕事を進めていくうちに、オンラインだと相手に伝わりにくい事が出てきたり、場合によっては誤解などが生じてしまう可能性もあります。
そういったことを防ぐためにも、オンラインミーティングの際にきちんと確認するなど、社員とのコミュニケーションを円滑にするように努めましょう。 また、出勤するタイミングがある場合には社員と積極的に話してみるなど、対面で会えるチャンスがあれば有効活用してみてくださいね。
分からないことはすぐに質問する
対面の時と違って、オンライン勤務の場合は他の人の状況が見えづらく、お互いの顔が見えないこともあり、なかなか質問しにくいかもしれません。だからといってそのままにせず、分からないことが出てきたらチャットツールなどですぐに質問することが大切です。
分からないことを保留にして、自己判断で仕事を進めるのだけは絶対に避けましょう。
オンラインでのコミュニケーションはいつも以上にリアクションを大きく
オンラインでコミュニケーションを取る際には、パソコンの画面越しのやり取りになるため、対面の時よりも表情や雰囲気などが伝わりにくくなります。そのため、オンラインの場合にはきちんと相槌を打つ、受け答えをしっかりする、表情の動きをつけるといった形でいつも以上にリアクションを大きくしましょう。
画面の向こうの社員とやり取りをする際には、画面ではなく、カメラの方を見て話すことも大切です。対面の時と同様、明るく自然な笑顔で応対することも心がけてみてくださいね。
オンラインインターンシップに取り組む際に気をつけたいこと
最後にオンラインインターンシップに取り組む際に気を付けたいことについてご紹介します。以下のことをきちんと確認して、参加してみましょう。
インターネット環境を整える
オンラインインターンシップに取り組むためには、何よりもインターネット環境を整えることが大切です。インターネット環境がないと仕事ができません。
先述のように、インターネット環境が不十分だと仕事に支障を来してしまうので、自宅のインターネット環境が整っているか必ず確認しましょう。
服装、髪型はきちんと整える
オンラインインターンシップは自宅でも参加できるからといって、部屋着や普段着での参加は控えましょう。対面の時と同様に服装や髪型はきちんと整えるのが基本です。
インターンシップ先の企業から服装の指定がある場合には指示に従い、私服での参加の場合はオフィスカジュアルを着用するのが無難です。
ただし、ストライプ柄やボーダー柄は画面を通すとちらついてしまうため、オンラインで参加する場合にはそういった柄のシャツは避けたほうがいいでしょう。 インターンシップにふさわしい服装について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
報告、連絡、相談はこまめにおこなう
オンラインの場合はお互いの状況や雰囲気などが見えにくいので、不安になることもあるでしょう。仕事を円滑に進めるためにも、対面の時以上にチームのメンバーなどに報告、連絡、相談をこまめにおこなうことが大切です。どんな些細なことでも面倒がらずに連絡を取り合うようにしましょう。
終わりに
今回はオンラインインターンシップのメリットや実際に経験した学生の声、有効活用方法などをご紹介しました。
最後に、オンラインインターンシップが成長できる理由をおさらいしておきましょう。
・仕事の基本となるコミュニケーションが身につく。
・リアルで会うよりオンラインの方が難しい。
・オフィスツールの使い方が学べる
・自走する力がつく
・環境に左右されずに力を発揮するスキルが習得できる
まだオンラインインターンシップに参加したことがない方もぜひ挑戦してみてくださいね。