マイナビ「大東亜以下」メール(学歴フィルター疑惑)謝罪報道について

マイナビ「大東亜以下」メールで謝罪 「誤タイトル」で1万6000人に送信…「学歴フィルター」否定

J-CAST ニュース

目次

1.ニュースの概要

就職支援サービス「マイナビ」の運営事務局が、学歴フィルターを疑われるようなメール文面を就活中の学生に送信していた問題で、運営元のマイナビが2021年12月7日、「不要な誤解を与えた」として謝罪した。


同社は、Twitterで物議を醸したメールが自社からの送信メールだったと認め「メールの誤送信だった」と釈明。再発防止に取り組むとした。ネット上などで指摘されている、学歴フィルターの存在は否定している。

学歴フィルター“疑惑”のメール誤送信、マイナビが「学歴による選別」を否定 「大東亜以下➈」の意味も明らかに

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学歴フィルター“疑惑”のメール誤送信、マイナビが「学歴による選別」を否定 「大東亜以下➈」の意味も明らかに

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2.各方面から見える反応

2-1インターンバンクメンバーの反応

「実際、大企業(応募者数が莫大)であるほど、採用の効率化や、努力の証といった指標の意味で『学歴』は汎用性があって便利なのだと思います。

性格やスポーツの成績などでは、全員を同じものさしで測ることは出来ないのでやはり学歴になるのかな、と。

私は心理学部で、『心理検査』という適性や性格特徴などを測る検査の効果を認識しているので、このようなものを通してその企業が欲しい人材とマッチするか、という観点が広まるといいなぁと思います。

ただ学生としても、完全に学歴が就活と関係ないとなれば大多数は勉強のモチベーションが失われ、結局は日本の学力や士気が下がり、ますます経済が発展しないということも考えられるので、難しいなぁと思います。」

「毎年多くの学生が就活を行っているので、効率化という観点では、大学で区切ることはある意味仕方ないと思います。 しかし、 ・今から変えることのできない学歴で判断すること ・考えが多様化している中で、学歴で一括りにすること は、学生目線から見ても、社会の流れからしても理解し難い部分であるなと感じます。」

「採用側から見て、山ほどいる学生から希望する人材を見つけるのに学歴というフィルターが必要になってしまうのは理解できます。

学歴だけが良い人材の確保に直決すると考えることは望ましくないと思いますが、マイナビのような実績というものを求めるサービスにおいては、確率性を上げるためにこうしたフィルターを使うのが、学歴にこだわらず優秀な人材はいるものも、優秀な人材の数的確保を目指すという意味では理にかなってしまうのかなと思いました。」

総じて、冷静な意見が目立った。
弊社で活動する面々は学歴こそバラバラ。ただ、己の価値を見定めつつ、実業を通しての自己成長欲・社会貢献欲は出色だ。
そういう前向きなスタンスである彼ら、彼女らにとっても衝撃的な内容であったのは確かだが、だからこそ、インターンバンクとして訴え続けることが明確に存在することを確認できたと感じている。

2-2大学生の反応

「露骨すぎる」
「学歴フィルターかけたほうが合理的なんだから仕方ない」
「実際大東亜の中にも、賢い人はたくさんいるだろうに」


基本的に報道に対してはネガティブな意見が多くを占めたものの、
冷静に判断する学生だと思われる方が多数コメントしているのも印象的だった。

2-3一般報道の反応

「学歴フィルターに文句を言うのは見当違い」
「学歴さえあればいいという考えは古い」
「有名大出てる私よりも、大東亜以下の妻のほうが地頭がいい」

マイナビサイドの運営体制を危惧する声や、結局は学歴はあてにならないというと大人の意見も多く見られた。

3.学歴フィルターとは何か?

Dog in the autumn park near a residential concrete apartment building in Hamburg, Germany

就職活動において入社を希望する者と採用担当者が面談する前に、その対象者が一定レベル以上の大学に在籍している事を基準でふるいにかけ、実質的に有望な人物に絞り込む非公式の予備選考である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

3-1学歴フィルターの歴史

1980年台には大学をグルーピングした採用面接が行われていた。現在では生々しく映ることもあり、控えられている印象もある。

3-2学歴区分の種類(一例)

・東京一工
・早慶上理
・GMARCH
・関関同立
・成成明学獨國武
・産近甲龍
・日東駒専
※順不同
などと言われることが多いようだ。
以前に比べて、大学や上記グループにより差異は薄れつつあるものの、今回の報道を見ても、概念として根強く残っている印象がある。

3-3学歴フィルターの用途

採用担当者の意見によると、上位レベルの大学から採用したほうが有能な人材であったという例が多く、逆にランク外にある大学ならばそれだけリスクが大きくなるとして、労働力の見地からも上位レベルの大学から採用する事の正当性を論じている。

3-3学歴フィルターのメリット

企業側
・スピーディに選考が進む
・優秀な学生にリーチできる可能性が高い(と言われている)

学生側
・スピーディに選考が進む
・リクルーター制度とのフィット感が高い

3-4学歴フィルターのデメリット

企業側
・多様・優種な人材が得られにくくなる
・大学自体から敬遠されやすくなる

学生側
・選考に進みにくくなる

4.今回の報道の論点

4-1学歴で判断する良し悪し・必然性

今回の報道を受けて、まず整理したいのは

・社会に、学歴という概念があるかどうかという問題
・学歴を用いて優劣をつける問題の是非
ではなかろうか。

「社会に、学歴という概念があるかどうかという問題」について言えば疑いようがなくYESであろう。
そもそも大学自体が、偏差値という物差しでも表現されている以上、これは避けられないし、別にそれが優劣とは異なるというのが私見だ。

企業においても


・就職ランキング
・社員数
・売上

などで判断されることを考えれば、特段、大学だけ数値で判断されること自体は、仕方がないと言えるのではなかろうか?

次に「学歴を用いて優劣をつける問題の是非」について。差別的に見えたことが問題であり、大学によって区別をすること自体は仕方ないのでなかろうか。

不平等だ、不公平だという声が多数であるものの、本当に世の人たちは同等の評価が己になされることを求めているのだろうか?

生まれた国・年、性別、家の環境など異なること以上に、●●大学という社会的評価に流されすぎな気がする。
昨今の学生は課題意識が高く、成長意欲もある。であれば、あくまで世の中の一つの指標として受け流し、己の研鑽に勤しんだ方がよっぽど効果的だ。

若手起業家を見ても、有名大学だから成功しているかといえばそうでもない。
結局のところ、就職なり人生の充実は、己の心のもちようや行動でどうにでも好転するもののではないだろうか?

4-2見え隠れする企業側の実心理

確かに大学蔑視になるようなことはあってはならない。偏差値や大学ブランドが所属する大学生の全てを物語るものではないからだ。
少しスタンスを変えて、学生を見定めざるを得ない、企業側の実を考えたい。私が学生の頃と比べて学生数は4割も減少しているものの、学生一人当たりのインターン含めたエントリー数は逆に倍増している。

企業としてはスピーディにより賢明なジャッジを下さざるを得ない環境であることは容易に想像できるはず。
偏差値や大学名以外の何を用いれば、企業は俊敏に適した学生を見つけられるのだろうか?


そういう観点で考えれば、仕方なく大学名や大学のグループを用いて判断根拠にすること自体は、仕方がないようにも思える。

そして、採用の目的は企業の実利に貢献することが最上位であり、そのための採用活動であるはずなので、決して有名大学生をインターンなり、就活で採用することは本論でないことは理屈で腹落ちするのではないか?

5.今回の報道を受けて

5-1学生にとっての今度の行動と指針

学歴で判断さたり、不条理に見定められたりすることは、これからも残るはずだ。
ただ、言えるのは学歴で全てが決まるわけではないし、そう簡単に変えられない学歴に、僕らは縛り続けられる必要はないのでは、ということだ。

インターン活動や就活に勤しむ学生の皆様にとって今一度認識して欲しいのは、大学名で勝負せず、己の実力で勝負せよ、ということだ。
社会に出れば大学名という価値自体は希薄化する。有名大学出身を提げて入社したにも関わらず、会社のお荷物になる人も見てきた。
逆に有名大学でないにも関わらず、果てしなき活躍をし、上り詰めた人も多数いる。

Z世代の完成は日本にとって宝だ。

年配者が価値を感じにくかったり、大学で判断される不条理はそれはそれとして捉え、その価値を認識してくれる大人と出会い、インターン活動などを通じて、成長することがもっと重要ではないだろうか?

5-2企業にとっての今度の行動と指針

すでに学生は売り手市場となり、あの手この手を使って「良い人材」を確保しなければならないのが、企業サイドの実情であろう。

終わりに

今回は12/7に報道された「マイナビ「大東亜以下」メール(学歴フィルター疑惑)謝罪報道」について試験を述べた。
インターンバンクの運営に携わるメンバーの多くが学生なだけに、他人事とは思えず、前のめりで私見を述べた。

それぞれの事情があるので仕方がないこととはいえ、やはり就職、インターンは若者にとってネガティブなものであっていいはずはない。
だからこそ、学生サイドも企業サイドも本件を受けて、あるべき状態を模索するきっかけになればと思います。

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この記事を書いた人

現役インターン生を中心に活動しています。現役大学生ならではの視点、インターン活動を通じて気がついたこと、より深く知りたくなったことを積極発信していきます。

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